住宅取得等資金の贈与に係る非課税とは?

住宅取得等資金の贈与に係る非課税とは?

 

概要

両親や祖父母などの直系尊属からの贈与のうち、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築や取得又は増改築等に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を満たす場合は、非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。

なお、家屋のみならず土地の購入に充てる資金も非課税の対象となります。

 

住宅取得等資金の非課税限度額

住宅取得等資金の非課税は次の表のとおりとなります。

消費税の増税後や省エネ等住宅(省エネ、耐震又はバリアフリーで一定の基準を満たしている住宅)については非課税限度額が通常より高く設定されています。

また、住宅の取得等に係る契約の締結日に応じて非課税限度額も異なっていきます。

※消費税率が8%の場合、個人間での売買や土地のみを購入した場合などが対象となります。

 

なお、住宅取得等資金の贈与は贈与税の基礎控除(110万円)と併用することが可能であり、住宅取得等資金の贈与の非課税限度額と基礎控除により最大で3,110万円までが非課税となります。

 

非課税の対象者の要件

住宅取得等資金の贈与の非課税の特例を適用するためには、贈与を受けた人(以下「受贈者」といいます。)が下記のすべての要件を満たす必要があります。

 

・直系尊属(父母や祖父母)から贈与であること

※配偶者の父母や祖父母は直系尊属に該当しませんが、養子縁組をしている場合は直系尊属に該当します。

・贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること

・贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること

・2009年分から2014年分の贈与税の申告で【住宅取得等資金の非課税】

の適用を受けていないこと(一定の場合を除きます。)

・自己の配偶者や親族など特別の関係ある人からの住宅の取得等でないこと

・贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅の取得等や増改築を行うこと

・贈与を受けたときに日本国内に住所を有していること(一定の場合を除きます。)

・贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得した家屋に居住すること又は同日以後遅滞なくその家屋に居住することが確実であること

※贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していない場合は非課税の特例の適用を受けることができなくなるため、既に非課税の特例を適用して贈与税の申告をしている場合は修正申告が必要になってきます。

 

非課税の対象となる住宅等の要件

住宅取得等資金贈与の非課税の特例の適用を受けるための住宅等の要件は【新築又は取得】の場合と【増改築等】の場合で異なります。

なお、いずれの場合も対象となる住宅用の家屋は日本国内にあるものに限られます。

 

①住宅の新築又は取得の場合

 

・家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であること

※マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積

・家屋の床面積の50%以上を居住用として使用すること

 

なお、中古住宅の場合は上記に加えて次のいずれかの要件も満たす必要があります。

 

・その取得の日以前20年以内(鉄骨造、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造などの場合は25年以内)に建築されたもの

・地震に対する安全性の基準を満たしていることを証する一定の書類が

あること

・中古住宅を取得するまでの間に耐震改修工事に係る申請を都道府県知事などに行い、贈与を受けた年の翌年3月15日までに耐震基準に適合することが証明されたもの

②増改築等の場合

 

・増改築後の家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であること

※マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積

・家屋の床面積の50%以上を居住用として使用すること

・増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたものであることを証する【確認済証の写し】、【検査済証の写し】又は【増改築等工事証明書】の書類があること

・増改築等の費用が100万円以上であり、費用の50%以上が居住用として使用する部分の工事に要するものであること

 

非課税の特例の適用を受けるための手続き

住宅取得等資金の贈与の非課税の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に所轄税務署に贈与税の申告書を提出する必要があります。

仮に税額が0円であっても申告書の提出は必須となります。

また、申告書の他に次の書類が必要となります。

 

・贈与を受けた人の戸籍謄本

・贈与した人の住民税の写し

・贈与を受けた人の源泉徴収票

・住宅の工事請負契約書や売買契約書など

 

※添付書類についての詳細は国税庁HPの【住宅取得等資金の贈与に係る特例適用チェック表】を参照してください。

 

住宅取得等資金の贈与に係る特例適用チェック表

URL:https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/topics/tokurei/2019.htm

 

まとめ

住宅取得等資金の贈与の非課税についてご紹介しました。

今回は表記しておりませんが、相続時精算課税制度(最大2,500万円の非課税枠)との併用も可能となります。

※相続時精算課税制度を適用する場合は贈与税の基礎控除110万円の適用は不可となります。

非課税の適用するにあたり細かい要件や提出書類などが必要となりますので、適用をお考えの場合は税理士にご相談することをおすすめします。

 

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