認知症・未成年者への贈与

概要

贈与税コラムなどにも記載があるとおり、生前贈与を行う時には事前の確認がとても重要です。名義預金と判定されないために、契約書を作成する、 銀行振り込みでやり取りする等の対策はもちろんですが、それ以前に贈与の契約が成立していることが重要となります。

祖父母から孫へ贈与を行うことは多々ありますが、近年では贈与者が認知症になっていることが問題になる事例が発生しています。そもそも贈与は、贈与者と受贈者の意思が一致して成立する契約です。贈与者に贈与する意思がなかったり、受贈者の受け取る意思が不明な場合や、意思決定のできない小さな子供への贈与は有効とされるのでしょうか?

 

贈与者が認知症の場合

贈与者が認知症の場合は、贈与者に意思能力があるかないかが問題となります。意思能力がないと判断された場合は、その贈与は無効とされます。認知症の程度には差がありますので、場合によっては意思能力があると判断されることもあります。贈与者が認知症である場合には、医師の診察を受け意思能力があるかを判断してもらいその旨の診断書を書いてもらいましょう。

また、不動産の贈与登記が必要な場合は、司法書士が贈与者の意思確認をします。契約書に署名があったとしても、司法書士が贈与者は認知症だと判断した場合には登記手続きを進めることはできません。

その他に、成年後見制度を利用して贈与を行うことを検討される場合もあるかと思いますが、この制度で贈与を行うこと困難です。成年後見人制度は被後見人の財産を守る制度のため、財産を減らすこととなる贈与は認められません。また、裁判所から成年後見人を解任される可能性がありますので、注意が必要です。

 

受贈者が子供の場合

受贈者が子供の場合も、受け取る側に意思能力があるかが問題となります。ですので、産まれたばかりの赤ちゃんは意思能力がないため贈与が成立するとはいえません。

しかし、このように未成年が贈与を受ける場合には、受像の意思決定を法定代理人が行うことと民法で定められています。結果的に未成年への贈与は可能です。

●民法5条の1(未成年者の法律行為)

未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

 

また、未成年の法定代理人とは、親権を持つ父母となります。

●民法818条(親権者)

成年に達しない子は、父母の親権に服する。

2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。

3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

 

なお、親権を持つ両親から子供への贈与も、上記の民法により成立します。

 

まとめ

 贈与は贈与者と受贈者それぞれの意思が合致することが重要です。そして、契約書等を必ず作成し、贈与の契約が成立していることを明らかにしておきましょう。

 

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